木造大日如来坐像を文化財指定 明和町 12世紀の密教彫像

【木造大日如来坐像(明和町提供)】

【多気郡】明和町はこのほど、同町八木戸の薬師寺にある平安時代後期(12世紀)の木造大日如来坐像(高さ57センチ)を有形文化財(彫刻)に指定した。同町文化財は計33件となる。

同像は江戸時代中期、近在の大日庵から移された。本尊の薬師如来像と並び本堂内陣須弥壇上の宮殿に安置している。同町内39寺のうち、21寺を浄土系寺院が占めているため、数少ない密教彫像とされる。

丸く穏やかな顔立ちや、顎をやや上げて目線を下に向ける、胸部を薄く腹部は豊かに見せるなど同時代の作例に共通する表現がある。