2024年8月13日(火)

▼いつぞや吉田沙保里さんがテレビ番組で、マイナースポーツを盛り上げる方法について、オリンピックに出場してメダルをとるのが早道と言っていた。パリ五輪でメダリストが出た競技を全国紙が解説していたが、いまごろは誰もが知るメジャースポーツになっているか。県からは海外開催の五輪としては過去最多の14人が日本代表に選ばれ、県内を沸かせたという

▼いずれもよく知られる競技で、レスリング女子やフェンシング男子など、県で実績のある競技が順当に実力を蓄積しているようだ。中止になった三重とこわか国体が多くの選手の育成に貢献しているというのもほっとする思いがする。日本人の父とフィリピン人の母を持ち、東京五輪ではフィリピン代表として出場した選手もいるというと心が豊かになる

▼個人的にはテレビ中継にかじりついたのは柔道で、特に五輪だからということではなかったのは恐縮だが、日本選手の活躍に一喜一憂した一方、女子57キロ級決勝が日本育ちのカナダと韓国の代表で争われたのには異質の感動があった。国別、県別、赤と白に分かれて戦うのがスポーツを盛り上げてきた一つの原動力だが、それとは別の楽しみ方、応援の仕組みがあっていい気がする

▼52キロ級では金メダル確実といわれた阿部詩選手が2回戦で敗れ号泣したことで知られる。そのことでネットではバッシングが広がっているらしい。賛否いずれにくみするも観客の自由だが、会場では拍手の「詩コール」が起こっていた

▼国民性の違いを知るのも五輪の楽しみ方である。