伊勢新聞

クマアラートを導入 注意報と警報の2段階で 三重県知事定例会見

【クマアラートを導入したと発表する一見知事=県庁で】

三重県内でツキノワグマの出没が相次いでいる問題で、一見勝之知事は9日の定例記者会見で「クマアラート」を導入したと発表した。出没が多発するなどした場合に発表し、県民や登山客に注意を促す。

県によると、アラートは注意報と警報の2段階で構成。発表の期間は原則2カ月。発表時は注意を呼びかける看板を登山道などに掲示。熊野古道では、クマよけの鈴を来訪者に貸し出す。

月単位の出没件数が過去5年間の平均の2倍を超えた際や人身被害が懸念される場合、県内の農林事務所管内ごとに注意報を発表する。人身被害が発生した際は、市町単位で警報を発表する。

一見知事は先月の定例記者会見で、アラートを導入する方針を表明。生態系などの専門家らの意見を踏まえ、発表の基準を決めた。他に12道県が同様の注意報などを導入している。

県内では爪痕などの発見を含むクマの「出没」が、今年4月1日から今月8日までで63件に上る。既に昨年度中の40件を超え、記録が残る平成18年度以降では最多となっている。