伊勢新聞

2024年8月10日(土)

▼パリ五輪の「熱狂(?)の二週間」が11日で終わる。セーヌ川、エッフェル塔を舞台にした開会式の華麗な演出には魅了されたが、それ以外は評判倒れの五輪と言っていい

▼五輪旗の逆さま掲揚から始まり、エアコンなし肉料理なしの選手村、汚染されたセーヌ川でのトライアスロン強行、女子ボクシングでの性別適格問題、選手へのSNS(交流サイト)での誹謗(ひぼう)中傷と、不祥事は挙げればキリがない。その上、疑惑の判定続きで、「オリンピックではなく誤審ピック」とまで¥ルビ(揶揄,やゆ)される始末

▼目標とされた温暖化対策としての「カーボンフットプリント50%」も「史上最も経済的で経済効果120億㌦」も達成されないことは確実だ。観光大国フランスはさらなる観光客増を狙ったが、猛暑で観光客数は予想以下

▼そもそも、近年の五輪は赤字垂れ流し、不祥事続き、IOCのボッタクリ営業で立候補国は少ない。今回はパリとロサンゼルスの二都市のみで、開催年が振り分けられただけ。なのに、「日本がまた開催地に」などとIOC五輪統括部長が発言。夏季にしろ冬季にしろ、もう五輪は完全に「オワコン」ではなかろうか。