東海財務局津財務事務所は6日、4―7月の三重県内経済情勢を発表した。消費や生産が改善傾向にあることを踏まえて「持ち直している」との総括判断を2期連続で据え置いた。
事務所によると、生産活動の判断は2期ぶりに上方修正。「緩やかに持ち直している」としていた判断から「緩やかに」の文言を削除した。半導体集積回路の生産が増えていることを踏まえた。
一方、雇用情勢は令和2年7月判断以来、16期ぶりに下方修正。「改善に向けた動きが続いている」としていたが、有効求人倍率の低下などを踏まえて「足踏みがみられる」と変更した。
個人消費は「持ち直している」との判断を3期連続で据え置いた。物価高騰の影響で消費者の節約志向が高まる一方で、観光施設の入り込み客数は引き続き回復しているという。
米田征史所長は6日の記者会見で「生産活動は持ち直しているが、その影響が給与などを含めた経済全体には浸透し切れていないため、総括判断を据え置くことにした」と述べた。
先行きについては「欧米の高い金利水準や中国経済、物価上昇に加え、株価の変動にも注視する必要がある。金融機関や企業への聞き取りで状況を把握し、必要な対応をしたい」としている。