似顔絵作成の技術学ぶ 事件解決へ、県警が講習会

【目撃者から情報を聞き取って犯人役の警察職員(左)の似顔絵を描いた参加者=津市栄町1丁目の県警本部で】

似顔絵を描く技術を向上させて事件解決につなげようと、三重県警はこのほど、津市栄町1丁目の県警本部で講習会を開き、若手警察官ら24人が、似顔絵の基本的な描き方を学んだ。

鑑識課によると、似顔絵は主に侵入窃盗事件や「受け子」が絡む特殊詐欺事件など、防犯カメラがない場所で起きた事件の捜査に用いられている。今年に入ってから35件の事件で似顔絵が作成され、うち1件で容疑者の摘発につながった。

講習会は昭和60年から始まり、今回が40回目。50枚以上の似顔絵を描いてきた2人の警察官が講師として、警察署で働く警察官や事務官に特徴の捉え方などの基礎知識や目撃者への質問方法などを学んだ。

参加者は実際に似顔絵を描く練習を実施した。2人1組になり、1人が目撃者となって数分間犯人役の男性を観察。もう1人が目撃者から顔の特徴や服装などを聞き取って似顔絵を作成した。

参加した四日市西署の八橋佑太巡査(39)は「特徴を言語化してもらうのが難しかった。絵は不得意だが、思ったよりも(犯人役の)顔になったので、捜査に生かしていきたい」と話した。

同課の宮﨑智洋次長は「似顔絵は事件発生直後に作ることができ、重要な捜査手法の一つ。今でも防犯カメラのない犯行現場は多く、作成技術を高めて事件解決に結びつけてほしい」と話した。