浮世絵、塗って学ぶ 津・石水博物館で小学生ら

【色鉛筆で浮世絵の下絵を塗り分ける参加者ら=津市垂水の石水博物館で】

【津】三重県津市垂水の石水博物館は4日、同館で夏休み親子教室「浮世絵を学ぼう! 描こう!」を開いた。小学4―6年生と保護者7組16人が浮世絵の歴史や制作工程を学び、江戸時代の絵師歌川国貞の塗り絵に挑戦した。

開催中の企画展「源氏物語の美とひろがり」(9月8日まで)に合わせ浮世絵に興味を深めてもらおうと開いた。

講師の桐田貴史学芸員は浮世絵の発祥を「江戸の平和な世に庶民の暮らしぶりを描いて楽しむようになった」と説明。墨の黒から色が徐々に増えたとして「色ごとに版木が必要で版元、絵師、彫師、摺(すり)師の4人で完成させた」とした。

参加者は江戸期に人気を博した源氏物語のパロディー「偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)」に登場する女性の下絵を丁寧に塗り分けた。当時の浮世絵を間近で見学する時間もあった。

市立南が丘小4年の山本優羽さん(9つ)は「塗るのは楽しいし面白い。浮世絵に興味が湧いた」、同6年の高橋慶伍さん(11)は「昔の絵なのに色にグラデーションがあってびっくりした。本物が見られて良かった」と感想を述べた。