【尾鷲】三重県立尾鷲高校の美術部員4人が、魚市場を彩る大漁旗を制作した。尾鷲市港町の尾鷲魚市場で開かれた朝市「尾鷲イタダキ市」で3日、完成した大漁旗が披露され、来店客は鑑賞したり記念撮影を楽しんだ。
地元の水産業を盛り上げようと、朝市の実行委員会が初めて企画。部員は放課後を中心に約2カ月かけて完成させた。大漁旗は縦1・4メートル、横2メートル。尾鷲湾から昇る日の出を背景に、特産品の甘夏やカツオを描いた。
部員は大漁旗の制作が未経験。大学時代に染め物を学んだ顧問の北村心さん(24)が、染色用の顔料の使い方を指導した。水彩画などとは異なり、布の染め直しは困難。「慎重に」と声をかけながら見守ったという。
北村さんは「高校と地域をつなぐ良い機会になった。多くの方に見てもらいたい」と笑顔で話した。実行委事務局の野田大さんは「旗は遠くからでも目立つ。20年続く市場の新たなシンボルになる」と話している。
尾鷲イタダキ市は1月を除く毎月第1土曜日に開く。12月のみ第3土曜日にも開催。尾鷲港で水揚げされた鮮魚のほか、農産物や総菜、和菓子などの特産品が並ぶ。開催時間は午前9時から午後1時まで。