2024年8月3日(土)

▼猛暑で外出を控えるせいか、街の飲食店が空いている。とくに居酒屋、焼肉店、ラーメン店から客足が遠のき、昨年来の倒産ラッシュに拍車がかかっている。帝国データバンクによると、2023年度の飲食店の倒産は802件で、2019年度の784件を上回って過去最多を記録。倒産の向こうには、その何十倍、何百倍もの廃業や閉店がある

▼円安による原材料費の高騰、人手不足による人件費の高騰、実質賃金の低下による消費不況と、原因は複合的。大手チェーンは持ちこたえられても個人営業は持ちこたえられない。飲食店の利益率は平均して5~7%と低い。物価高騰はてきめんに響く。ならば価格を上げればいいというが、上げると客足は一気に遠のくという

▼そもそも日本は、人口当たりの飲食店数が異常に多い。東京の人口1000人当たりの飲食店数はニューヨークの約5倍という

▼いまの日本は人口減社会。1年に約60万人の人口が減っていく。従って、人口減とともに飲食店数も減って当然。市場は縮小を続けている。今後は縮小経済のあり方を考えないと、あらゆる業種で倒産ラッシュが起こるだろう。