空中消火の体制強化を 能登震災受け、全国知事会で一見氏訴え 三重

【全国知事会議で発言する一見知事(県提供)】

一見勝之三重県知事は2日、福井市内で開かれた全国知事会議で、能登半島地震で発生した大規模火災を教訓に、災害時の空中消火を迅速に実施するための体制を整える必要性を訴えた。全国知事会は一見知事の意見を国への提言に盛り込む方針。

一見知事は能登半島地震で大規模な火災が発生した石川県輪島市の「輪島朝市」について「道路が寸断されて消防車両が通行できなかった。断水も重なり、被害が拡大した」と指摘した。

その上で「こうした場合は空中消火しか手だてがない。自衛隊との協力が不可欠。速やかに要請しないと命を救えない」と強調。自衛隊との連携強化を国に申し入れるよう提案した。

危機管理・防災特別委員長の黒岩祐治神奈川県知事は「能登半島地震の被害状況を踏まえ、迅速に空中消火をする体制を整えることは重要」と応じ、提言に反映させる考えを示した。

県によると、輪島朝市では地震発生直後に起きた火災で約240棟が焼損。断水や川の水位低下などによって消火作業が難航したほか、航空機による空からの消火も実施されなかった。

また、一見知事は1日の全国知事会議で、県がフリースクールの利用料を補助する制度を設けたことを紹介し、国による支援を要請。子育て関連の提言に盛り込まれる見通しとなった。

見直しの議論が進む国民スポーツ大会については「都道府県同士の順位付けに意味があるのか。五輪は競技ごとにメダルがあるが、全ての競技を通じた国の順位付けはない」と指摘した。