【伊勢】伊勢市は、高齢者など耳が聞こえにくい来庁者に向け、耳の軟骨を振動させて音を伝える「軟骨伝導」の技術を使ったイヤホンを、窓口業務に導入した。
軟骨伝導イヤホンは、集音器が増幅した音を、耳周辺の軟骨の振動で伝える仕組み。集音器につなげた球体のイヤホンを装着すると、話し声が大きく聞こえる。7月から本庁舎の高齢・障がい福祉課に1台を設置。申し出があれば、庁舎内の各課窓口でも利用できる。
同課によると、加齢などにより耳が聞こえづらい来庁者には、筆談や大きな声での会話になり、個人情報が周りに聞こえてしまうことがある。軟骨伝導イヤホンを利用してもらうことで、窓口での受け答えが円滑になり、大きな声を出さずに会話ができるためプライバシーの確保にもつながる。
担当者は、コロナ禍以降、マスクの着用で相手の声が聞き取りにくい状況もあるという。「耳が聞こえにくいため来庁をためらう人もいる。気軽にイヤホンを利用してもらい、安心して窓口に来てもらえれば」と話している。