【度会郡】災害時に、高齢者や障害者など一般の避難所では生活することが困難な要配慮者を受け入れる「福祉避難所」の運営訓練がこのほど、三重県玉城町勝田の保健福祉会館であった。
町保健福祉課地域共生室が主催。同町では医療、介護、福祉関係者などが地域に共通する課題を解決し、社会基盤の整備を考える「地域ケア会議」を開く中、令和4年に福祉避難所運営マニュアルを策定し、昨年の運営訓練後に改訂を加えた。
3回目となる同訓練は、能登半島地震の被災地に派遣された町職員や社協職員、三重大学大学院の磯和勅子教授、いおうじ応急クリニックの良雪雅院長らの報告を参考に実施。同会議メンバーや町社協、介護相談員ら50人が参加した。
この日は、真夏に最大震度7の地震が発生し、保健福祉会館でトイレや空調が使えない中、発災から48時間後に寝たきり、認知症、車椅子の高齢者、自閉症の家族、乳児連れの妊婦の受け入れを想定し、マニュアルに沿って訓練を行った。
参加者らは要配慮者が安心して避難所で生活できるよう、支援の方法や使用した物品のリストアップ、必要な物品の洗い出しなどを実施。訓練終了後、気付いたことや反省点を報告し、マニュアルの改訂や訓練を繰り返し行うことを確認した。
磯和教授は「要配慮者や付き添いの人をどれだけ受け入れられるか、また新型コロナが5類に移行したとはいえ徹底した感染症対策が必要となる。これらを想定してどれだけの人が支援に必要となるかもう一度検討しなければ」と講評した。