2024年7月31日(水)

▼祝 県立菰野高校。第106回全国高校野球選手権三重大会の16年ぶり3回目の優勝おめでとう。スタメン9人全員が2年生ながら、決勝戦は好機を確実に生かして初回から得点を重ねて私立鈴鹿高校を2―0で制して、見事甲子園出場を決めた

▼監督から盗塁のサインなどが出ない「選手主体の野球」がチームの信頼関係を深めたという。監督が選手の自主性を重んじたとも受け取れるが、監督は先月中旬から前部長が務め、春夏の3度甲子園に導いたそれまでの監督は交代している。選手が主体となってやらざるをえなかったということでもあるか

▼同校野球部の異変がはっきりしたのは、県教委の福永和伸教育長の25日の定例記者会見である。野球部監督を務めた60代男性教諭が体罰をした疑いがあるとして、調査を進めることを明らかにした。生徒へのアンケート調査などで浮上したのではなく先月中旬、関係者から学校に「不適切な言動がある」との指摘があった。校長が監督や生徒に聞き取りした結果、体罰の疑いがあるとして今月、県教委に報告した

▼福永教育長によると、監督交代は暫定的で今後、県教委が調査して処分などを決めるというが、前監督は大枠で指摘を認めているともいう。運動部活動と体罰について県教委がガイドラインを作ったのは数年前だが、続いていた疑いもぬぐえない

▼「高野連の方も対応していくのだと思う」と福永教育長。野球部員の不祥事でよく対外試合自粛になるケースが思い浮かぶが、監督の体罰の場合はまた別なのかもしれない。