三重県は30日、本年度の戦没者追悼式を津市北河路町の「メッセウイング・みえ」で開いた。遺族や来賓ら586人が参列し、黙とうや献花で太平洋戦争などの戦没者約5万3千人を悼んだ。
県によると、全国戦没者追悼式と合わせて昭和41年度から実施し、59回目。令和2年度から昨年度までは、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に規模を縮小していた。
一見勝之知事は式辞で「大切な命をふるさとや家族、国を守るためにささげた戦没者に深く哀悼の意を表する。平和と繁栄は、尊い犠牲の上に築かれたことを忘れてはならない」と述べた。
その上で「来年は戦後80年の節目。これまで以上に平和の追求に力を尽くす」などと述べ、県出身の戦没者を慰霊する「三重の塔」(沖縄県糸満市)の環境整備を進める考えを示した。
マリアナ諸島で父を亡くした鈴鹿市の平子かなゑさん(82)は「追悼のことば」で「平和が末永く続くことを願い、戦争体験者は語り部として悲惨な事実を伝えることを誓う」と語った。
田村憲久衆院議員や石原正敬衆院議員、山本佐知子参院議員も来賓で出席。田村氏は「戦争の悲惨さと平和の尊さを深く心に刻み、恒久平和の実現に向けて努力することを誓う」と述べた。