歌会始御題「和」テーマに 伊勢・神宮美術館で特別展

【歌会始の御題「和」にちなんだ絵画などが並ぶ会場=伊勢市神田久志本町の神宮美術館で】

【伊勢】三重県伊勢市神田久志本町の神宮美術館で、特別展「和―歌会始御題によせて」が開かれている。新春に皇居で開かれる「歌会始」の今年のお題「和」にちなんだ絵画や工芸作品などが並ぶ。8月27日まで。
お題「和」から連想し、「和風の表出」と「調和の形成」の2つのテーマで、同館所蔵の美術作品の中から初公開の2点を含む計34点を展示した。
「和風」の作品展示では、雲海の中の富士山を表した日本画家横山大観の「正気放光」、本居宣長の和歌をもとに朝日と山桜を描いた大山忠作の「朝日に匂ふ」などが並ぶ。今年神宮に奉納された牧進さんの日本画「竹林紅白梅」は、梅の花を金泥と銀泥を使って表現している。
「調和」の作品は、江戸時代の伊勢の画僧・月僲上人(げっせんしょうにん)が5匹の子犬が楽しげ遊ぶ姿を描いた「五狗児(ごくじ)」など、心和む作品が展示された。
学芸員の中村潔さんは「作品にはそれぞれ物語がある。その物語、作品の味わいを感じ取ってもらえたら」と話している。
入館料は大人5百円、小中学生百円。木曜休館、午前9―午後4時。