伊勢新聞

ネパール実習生を激励 駐日大使が紀北町の工場視察 三重

【技能実習生(左)から仕事の説明を受けるスベディ大使(右)=紀北町東長島のヤナギダ・テクノで】

【北牟婁郡】ネパールのドゥルガ・バハドゥール・スベディ駐日大使らは25日、同国の技能実習生8人が働くヤナギダ・テクノ(三重県紀北町東長島)を訪れ、工場視察や実習生を激励した。

スベディ大使らは24日、同国の技能実習生の受け入れに謝意を伝えようと、町役場を訪れ、尾上壽一町長を表敬訪問した。ネパール大使が同町を訪れるのは初めて。

同社は昭和30年設立で、トヨタの自動車部品の製造や加工を手がける。令和2年から同国の実習生を採用し、車体のパーツの製造や検品をしてもらうなど、製造ラインの大部分を任せている。

柳田哲宏社長(46)はスベディ大使に、会社概要や仕事内容、職場環境などを説明。スベディ大使は「優れた部品を作る会社だと分かった。貢献している人ばかりだと信じている」と述べた。

実習生らは「この環境で働けて幸せ」「日本人とも協力して仕事に励んでいる」などと報告。スベディ大使は「同胞なので日頃から気にかけている」と笑顔を見せた。

同社で4年ほど働くグルン・キラ・クマリさんは「ネパールでは絶対にできない仕事だと思う。技術も向上している」と語った。大使から激励の言葉を受け、「うれしかった」と話していた。

紀北、御浜両町の商工会が合併して誕生した「みえ熊野古道商工会」は、令和2年1月からこれまでに5事業所で計28人の同国の実習生を受け入れており、来年も新たに11人を迎える予定。