今大会初の継続試合となった準々決勝の明野―鈴鹿。明野は、投打のかみあった昨年秋の県大会準優勝校から流れを奪い返せないまま、0―6で敗れた。
5点を追う六回表からの再開直後。先頭の3年生主戦小山が、鈴鹿先発今村の初球を左前に運んで出塁したが得点には結びつかなかった。その裏には鈴鹿4番中村の左越えソロ本塁打で6点目を奪われた。
「変化球でカウントを取ろうとしたら甘く入った球を持って行かれた。『やられたな』と思いました」と肩を落とす小山。高1秋からコンビを組む同学年の捕手松田は「小山の出来は最高だった」とかばった。
春夏通算8度の甲子園出場を誇る明野だが、県大会でベスト4に入った1999年夏以来、県内ベスト8にすら残れずに来た。古豪復活に向けて、現役時代捕手だった辻村監督の指導で、小山、松田のバッテリーを中心にした戦力の底上げを目指してきた。
一昨年、昨年の夏の県大会はベスト32で敗退。昨秋の県大会も初戦敗退だったが今年春の県大会で8強入りした。県外甲子園常連校との壮行試合を企画したOBたちの思いにも支えられ、この夏25年ぶりの県大会ベスト8入りを果たした。敗戦後涙を見せる3年生らに辻村監督は「お前らがチームを変えた。胸を張って帰ろう」と声をかけた。