ノーシードで勝ち上がった高田は春の王者津田学園を追い詰めたが、延長十回タイブレークでサヨナラ負け。55年ぶりの4強を逃し、先発して好投した背番号10の岩瀬は「あと一歩だったので悔しい」と涙をこらえながら話した。
「不規則に変化する」直球を武器に、持ち味の打たせて取る投球で津田学園の強力打線を七回までわずか1失点。稲垣監督が「試合中、1球ごとに強くなった」と絶賛する好投を見せた。
八回裏、先頭にストレートの四球を与えると、今大会全試合に登板して好投を続けてきた背番号1の中森がマウンドに。しかし、勢いに乗る相手を止められなかった。試合後、中森に「ごめん」と声をかけられた岩瀬は「ここまで来られたのは(中森)煌陽のおかげ。ありがとう」と返したという。
多くの卒業生も応援に駆け付けた。昨年の主戦投手で三重大硬式野球部で野球を続けている中山勝暁さんは「惜しい試合だった。ストライクがしっかり取れていて完全に(自分を)超えられた。追いつけるように大学でも頑張りたい」と登板した2人をたたえた。