【志摩】タクシー事業者の管理の下、一般のドライバーが有償で客を運ぶ「日本版ライドシェア」の三重県内初の実証事業が22日、志摩市で始まった。同市阿児町の阿児アリーナで出発式が開かれ、一見勝之知事や実施主体となる志摩市の橋爪政吉市長、県や市の関係者らが出席した。
実証期間は9月16日まで。三重近鉄タクシーが運行主体となり、応募があった市内外の7人のドライバーが、タクシー車両2台と自家用車1台の計3台を使い、午後6時―午前0時まで毎日運行する。
志摩市内で乗車する人なら誰でも利用できる。利用者はタクシーの配車アプリを使って予約し、出発地と目的地を確定後、その距離に応じてタクシー料金に準じた金額が自動計算され、タクシーアプリ内で決済する。
市によると、観光客らが市内の宿泊施設と飲食店などを移動する際、夜間を中心にタクシーを利用しづらいことが課題となっていた。実証事業を通じて夜間の需要や安全性などを調査し、日本版ライドシェアの定着に向けた議論に生かす方針。市の事業費は約678万円で県が半額を補助する。
出発式で橋爪市長は「実証事業でさまざまな課題をデータ化し、観光交通課題の解決に向けた一歩につなげたい」、一見知事は「東海3県では観光地型のライドシェアは初めてなので結果を出さないといけない。県民の安全安心と働く人の権利も守りながら公共交通を展開していきたい」と話した。
テープカットの後、一見知事と橋爪市長らを乗せたタクシー車両を一般ドライバーの男性が運転し、市内を走行するデモンストレーションも行われた。