伊勢新聞

応援とともにパリで全力疾走 パラ五輪陸上代表、井谷俊介選手が活躍誓う 三重・大紀町

【服部町長(右)に活躍を誓った井谷選手=大紀町役場で】

【度会郡】8月28日に開幕するパリパラリンピックの陸上男子200メートル(義足T64)の日本代表で、三重県大紀町出身の井谷俊介選手(29)=SMBC日興証券=の激励会が22日、大紀町役場であった。集まった町関係者や地元の子どもらを前に、井谷選手が「自分の持てる力を出して、皆さんの応援とともにパリの舞台で全力疾走したい」と意気込みを語った。

【地元の子どもらから応援メッセージを書いた色紙や国旗を受け取った井谷選手(後列中央)=大紀町役場で】

井谷選手は20歳の時、交通事故により右脚の膝から下を切断し、義足になった。その後、陸上と出合って義足で走る楽しさを知り、パラリンピックを目指すようになったという。

平成30年から本格的に陸上競技を始め、わずか10カ月でアジアパラ競技大会の陸上男子100メートルで優勝。昨年のアジアパラ競技大会の陸上男子200メートルでは、アジア記録を樹立して優勝するなど活躍を続けている。パラリンピック出場は今回が初めて。

この日は、大紀町役場に到着した井谷選手を服部吉人町長や職員らが出迎え、花束を手渡した。服部町長は「体調に気をつけてパラリンピックを楽しんできてほしい」と激励。地元の錦あおぞら保育園や錦小学校、大紀中学校の代表者が、応援メッセージを書いた色紙や国旗を手渡した。井谷選手は子どもらに、おもちゃやスポーツ用品をプレゼントした。

井谷選手は「幼い頃から変わらず温かく応援してくれる大紀町の皆さんに感謝している。パリでもいい結果を届けられるように頑張ってきます」と活躍を誓った。

8月25日に日本を出発し、9月7日の試合に出場する予定。町は役場にフランス国旗をイメージした懸垂幕を設置し、パブリックビューイングも計画している。