カスハラに「罰則も検討を」 防止推進会議で三重県知事

【カスハラ防止の対策を検討する県幹部ら=県庁で】

三重県は23日、客による嫌がらせなどの「カスタマーハラスメント」(カスハラ)の防止に向けた対策推進会議の初会合を開いた。本部長の一見勝之知事は、制定を検討中の条例に罰則を盛り込むことも検討するよう幹部らに指示した。

県によると、罰則は過料などを想定。有識者らでつくる「検討懇話会」が罰則の是非を議論する見通し。東京都は全国初のカスハラ防止条例を制定する方針だが、罰則は設けないという。

この日の会議では、職員が着用する名札の表記を8月から姓だけに改めることも確認した。これまでフルネームを記載したケースもあったが、プライバシー侵害の防止を理由に見直す。

また、県は職員名簿を県のホームページから削除する。平成25年度から掲載してきたが、名札の見直しに合わせて削除することにした。公開の是非や方法などを改めて検討する。

一見知事は会議で「お客様は神様ではない。神様だと言う人もいるが、それは自らを擁護するためでおかしな話。守るべきは人間の尊厳。尊厳を冒すこととは断固として戦う」と述べた。

会議後の定例記者会見では、罰則について「強要罪や威力業務妨害罪、侮辱罪などは刑法で対応する話」としつつ「行政罰の過料を科す社会にする考え方もあると思う」と語った。