9年ぶりにベスト16に勝ち上がった尾鷲は、33年ぶりの8強入りがかかる3回戦で、主戦の3年生右腕川端が先発登板。球速差30キロ強。直球とカーブを織り交ぜた投球で、序盤は凡打の山を築いた。五回に近大高専打線に捕まり、5失点。六回までに計8失点を喫するも、四回までは1失点にまとめる粘投を見せた。
相手は昨年秋県4位の強豪校。最速150キロ超右腕の3年生吉留が今大会初先発する一戦にも「相手の球速を気にせず、いつも通り」挑めた。直球勝負の吉留に対し、「打たせて取る投球」で序盤の接戦を演出。「緩急があれば強豪でも抑えられる」と手応え十分だった。
1回戦で昨夏優勝校のいなべ総合に金星を挙げた尾鷲の快進撃は止まったが、2015年以来となる16強に勝ち残った今大会を「最高の夏だった」と振り返った。選手15人中川端ら13人が尾鷲中出身。地元の仲間は「素直に意見を言い合える」関係だった。01年以来の8強進出の夢を後輩に託し、球場を後にした。