山商粘るも鈴鹿に惜敗 2季連続の甲子園ならず 夏の高校野球三重大会

【山商―鈴鹿 八回裏、1死一、二塁のピンチを迎えてマウンド上に集まる伊藤主将(中)ら山商ナイン=伊勢球場で】

宇治山田商は鈴鹿に3―4で敗れ、2季連続の甲子園出場はかなわなかった。1点を追う九回2死二塁、同点の好機で右飛に倒れて最終打者となった伊藤主将は「走者を返せなかった」と悔しさをにじませた。

昨夏は決勝で敗れ、新たにスタートしたチームは秋の地区予選で苦戦。不安の残る船出となったが、県大会、東海大会は粘り強さを発揮して勝ち上がり、16年ぶりとなるセンバツ出場を果たした。聖地でも1勝を挙げると「もう一回甲子園に行きたい」と夏に向けて練習を積み重ねてきた。

この日は序盤に3失点する苦しい展開。それでも七回に1点を返すと、八回、先頭打者の伊藤が「チームに勢いを持ってきたかった」と三塁打を放ち、同点に追い付く粘り強さを見せた。

村田監督は「これだけ伸びたチームはなかなかない。素晴らしい学年」とたたえる。個性の強いメンバーをまとめ、村田監督の信頼に応えてきた主将は「一歩引いて客観的にチームを見えるようになった」と自身の成長を語った。

新チームには、この日先発出場した4人や聖地を経験した2年生が残る。「自分たちを超えて春夏連続の甲子園出場を目指してほしい」とエールを送った。