平成10年以来の夏の甲子園切符を目指して、2回戦でシード校の昴学園を2―1で下しベスト16入りした海星。初回に2点を先制し試合を優位に進めた。一回、1番西脇が中越打で出塁。4番松岡憲のレフト線への当たりなどで2死満塁の先制機を作ると、6番松岡大が押し出し四球を選んで先制。さらに主将の山川とダブル主将を組む7番山下の敵失を誘う三ゴロの間に1人が返り2点目を挙げた。
3年生の山下は約1年前に高校野球の強豪、智弁学園(奈良)から転入し、海星の選手としてこれが公式戦初打席だった。試合後は「満塁の場面だったのでゴロを打とうと思っていましたが…」と想定外の得点シーンに苦笑い。津市立朝陽中時代、硬式野球のヤングリーグ中日本選抜として国際大会に出場。智弁学園でも1年からトップチームに帯同した実力者だが、1年ぶりの公式戦に緊張は隠せず、森下監督から「足下をしっかり付けて」と声をかけられたという。
大会直前に左足甲を骨折するアクシデントにも見舞われたが、2回戦からの出場に間に合うようリハビリに励んだ。打席に立つ時、ベンチから「おまえが一番練習をやってきたんや」と声が飛んだ努力家は、次戦に向け「1点でもチームに貢献できるように声かけ、バッティングを心がけていく」と気持ちを入れ直していた。