麻振興、刈り取り神事 栽培2年目、豊作3メートル超に

【精麻を置いて執り行った刈り取り神事=明和町斎宮で】

【多気郡】三重県明和町など産学官8団体で麻栽培の振興に取り組む「天津管麻(あまつすがそ)プロジェクト」は21日、同町斎宮のさいくう平安の杜で刈り取り神事を執り行った。隣の畑など斎宮跡の3カ所、約10アールで栽培し、順調に育った。麻は神事に使う他、産業用に活用する。

同プロジェクトは同町と明和観光商社、皇學館大学、三重大学、栽培事業者などが昨年立ち上げた。同町御糸地区周辺は麻績郷(おみごう)と呼ばれ、伊勢神宮で使う麻の栽培地となってきた。プロジェクトは麻に関する歴史文化の継承と、栽培の担い手確保、麻産業の振興を目指す。

国史跡斎宮跡の遊休公有地で幻覚成分をほとんど含まない品種を4月に種まきした。初めて挑戦した昨年は雑草が生えたり倒れたりしたが、今年は水はけや雑草の対策で土を複数回掘り起こすなどして豊作。3メートルを超す高さに成長した。神事用の畑では1週間後に引っこ抜いて収獲し、産業用の畑は二毛作をする。

【3メートルを超す高さに育った麻=明和町斎宮で】

茎の表皮から作った精麻を会場に置いた神事で麻の成長に感謝した。明和観光商社の千田良仁代表理事があいさつに立ち、「初めての栽培は成長が良くなかったが、2年目は3メートルを超え豊かに育った。麻の歴史文化を復興し、麻産業を創成する」と述べた。