カスハラで懇話会立ち上げ 三重県、防止条例視野に

一見勝之知事は19日の定例記者会見で、客による迷惑行為などの「カスタマーハラスメント」(カスハラ)を防ぐ条例の制定を視野に、有識者らでつくる検討懇話会を立ち上げると発表した。

三重県によると、懇話会は大学教授や弁護士、経済団体、労働団体などの14人で構成。来月ごろにも初会合を開く。年度末までに条例の必要性や対策の在り方などに関する意見をまとめる予定。

また、県はカスハラの実態把握や対策の検討などを進める「カスハラ防止対策推進本部」を19日付で設置した。一見知事が本部長を務め、関係幹部ら18人で構成。23日に初会合を開く。

一見知事は会見で「労働者と消費者は対等な立場。カスハラ防止の気運が盛り上がる中で、県民に理解してもらうことが大事」と強調。「条例も含め、本格的に対策を検討していく」と語った。

条例制定の検討については「まずは何がカスハラに当たるのかを議論すると思う。実効性のある取り組みを確保することも重要」と説明。条例に罰則を設けるかどうかを検討する考えも示した。

カスハラへの対応を巡っては、東京都が全国で初の条例制定に向けた検討を進めている。一見知事は2月の定例記者会見で、条例制定も視野にカスハラへの対応を検討する考えを示していた。