山商、春夏連続甲子園懸け初戦 カギ握る3年右腕コンビ 夏の高校野球三重大会

【普段から仲の良い宇治山田商の3年生右腕コンビ(左から中村帆高、田中燿太)】

大会第4シードの宇治山田商は、今年3月の選抜大会に続く甲子園切符を懸けて夏の初戦に臨む。投手を中心にした粘り強い守備で、昨年秋、県大会で優勝。東海大会でベスト4入りして2008年以来となるセンバツに出場し、16年ぶりの甲子園1勝を挙げた。春夏連続甲子園出場のカギを握るのも3年生右腕2人が引っ張る投手陣だ。

力強いストレートと制球力が武器の田中燿太と、186センチの長身から投げ下ろす140キロ超のストレートと縦と横のスライダーを交えた投球が持ち味の中村帆高。

高校1年時、席が隣り合わせた縁で仲良くなった2投手は切磋琢磨(せっさたくま)して成長してきた。高2の秋からエースナンバー「1」を交互に背負い、主にリリーフ投手としてチームを支えた。

1回戦で東海大福岡に競り勝つも、同校初のベスト8進出を懸けた2回戦では中央学院(千葉)に終始リードを奪われて敗退した今春のセンバツ。個人としても悔しい思いが残った。

2番手や3番手で継投した田中は「代わった回は抑えられたが、その後失点を抑えられなかった」。抑えで起用されて、2試合計5イニング無失点の中村も「チームを勝たせることはできなかった」。

夏の大会を前にして村田治樹監督から「今年三重県で唯一甲子園を経験できたチーム」としての自覚を促された。田中は「悔しい思いをぼくもチームもした。まず県大会で絶対勝って、甲子園で悔しさを晴らせるよう頑張る」と話す。