伊勢新聞

観光地を多言語で紹介 NPO愛伝舎が動画制作へ 南加県人会から寄付金

【寄付金の目録を受け取った坂本理事長(前列左から3人目)ら=県議会議事堂で】

多文化共生の取り組みに使ってもらおうと、三重県内から明治期に渡米した人やその家族らでつくる「南カリフォルニア県人会」は16日、外国人を支援するNPO法人「愛伝舎」(四日市市)に現金10万円を寄付した。同法人は県内の観光地を多言語で発信する事業に活用する。

同会が昨年、発足から120周年を迎えたことを記念した事業の一環。太田勉会長が今年1月、視察で渡米した津田健児県議(自民党、6期、四日市市選出)に寄付の意向を伝えていた。

愛伝舎は英語、ポルトガル語、スペイン語で観光地を紹介する動画の制作に充てる。伊勢神宮、関宿、熊野古道を扱う予定。8月から制作し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。

動画の制作では、県立飯野高(鈴鹿市)の英語コミュニケーション科に所属する生徒らが協力する。生徒らが実際に県内の観光地を訪れ、魅力などを外国語で紹介している様子を収録する。

この日、県議会議事堂で寄贈式があり、愛伝舎や飯野高の関係者らが出席。太田会長の親族に当たる舟橋裕幸県議(新政みえ、8期、津市)が愛伝舎の坂本久海子理事長に目録を手渡した。

舟橋県議は「寄付を有効に使ってもらいたい」とあいさつ。坂本理事長は「外国籍の人を支援するだけではなく、日本に活力を生み出すために協力してもらえるようにしたい」と語った。