伊勢新聞

2024年7月17日(水)

▼前日までのカエル大合唱がやんだと思ったら、せみ時雨が始まった。自然の妙には毎年驚き、感心させられる。一昨日は激しい雷雨に見舞われたが、例年だと梅雨明けの兆しだ。本格的な暑い夏がやってくる

▼県内は3日から7日間、熱中症警戒アラートが発表された。松阪市で全国最高気温が観測され、7日には伊賀市で草刈りをしていた80代男性が、津市では自宅の庭で倒れた70代男性が熱中症とみられる症状で死亡した。一見勝之知事が9日、不要不急の外出や畑作業、運動などを避けるよう県民に呼びかけた

▼「まだ暑さに慣れず、熱中症にかかりやすくなっている」という。いわゆる「暑熱順化」ということだろう。体が暑さに慣れることで、暑い日が続くと次第に暑さに強くなる。具体的には汗をかく作用を促進し、体にこもる熱を外へ発散させてしまうことで熱中症対策として有効らしい

▼専門家によると、日常生活の中で運動や入浴など、無理のない範囲で汗をかくことが大切としてウオーキングやジョギング、サイクリング、ストレッチなどが奨励されているが、順応には数日から2週間ほどかかる上に個人差があり、万全な備えとも言えないとしている。慣れることは臭いや味覚とともに生活する上での機能ではあるが、鈍感になることと紙一重。気づいた時は遅かったという事態がなきにしもあらず

▼異常気象にどこまで通用するかも未知。日中の外出や運動は控えて、こまめな水分補給や日傘や帽子の使用、室内の温度調整など、一般的な用心は欠かせない。