「夏はお前でいく」。木本の1年生左腕間部日葵は6月末の練習試合で、大阪学芸に6回無失点の好投。小林監督から今大会初戦の「先発内定」を告げられた。
初戦は1学年上の兄・日向太捕手と兄弟バッテリーを組み久居に3回2失点。直球は自己最速の138キロを記録するも、相手の大応援団を前に「圧に負けた」と悔しさをにじませた。
初めてバッテリーを組んだのは5年前の熊野市立井戸小時代。兄弟だからこそ「他の選手に比べ意見交換を活発にできる」。自宅でも野球談義を交わす仲で、「兄から指摘を受け、フォーム修正をした」経験もある。
「今後も兄弟バッテリーを継続したい」と意気込む。日向太捕手の「自分の力で夏までに最高の投手に仕上げ、来年も先発させてやりたい」との決意に目を細めていた。
応援席には昨年夏の三重大会で8強入りの先輩らの姿も。前主将の榎本和真さん(18)は「1年生で先発を託されるのはすごい」と評し、1、2年生が中心の現体制には「実力のある子たちが地元に残ってくれた」と話した。ナインには昨年春の中学野球で全国大会に出場した熊野市立有馬中の主力もおり、今秋の「新体制」に期待が膨らむ。