国宝記念埴輪展が開幕 松阪市文化財センター、宝塚1号墳の94点初公開 三重

【テープカットする(右から)竹上市長、一見知事、盛山大臣、田村衆院議員、福田所長=松阪市外五曲町の同市文化財センターで】

【松阪】三重県の松阪市は13日、同市外五曲町の同市文化財センターはにわ館で、盛山正仁文部科学大臣を迎え、国宝決定を記念する夏季企画展「深掘り! 宝塚1号墳の埴輪(はにわ)」のオープニングセレモニーを開いた。会期は9月8日まで。

国の文化審議会は3月15日、同市宝塚町・光町の宝塚1号墳(5世紀初め)から出土した埴輪の国宝指定を答申した。対象は船形、囲形、家形の他、多数の埴輪片、土器・土製品を含む計278点に上る。

企画展ではほとんどが初公開の94点を出品。常設展の60点と合わせ国宝対象の約半数を披露する。出土した中で最も大きいと見られる家形の部材や、船形の2、3号船、鳥形の羽の部分などが並ぶ。

竹上真人市長は「船形埴輪発見から24年間の思いが結実した」と述べ、盛山大臣らとテープカットした。企画展と常設展を見て回り、福田哲也所長が船形埴輪は木のオールや布の旗があった可能性があるなどと案内した。

【船形埴輪に見入る盛山大臣(右)ら=松阪市外五曲町の同市文化財センターで】

盛山大臣は「松阪の皆さんだけでなく国民全体の貴重な宝。大切に守り伝えたい」と述べ、船形埴輪について「初めて拝見した。これだけ大きな物を作る技術があり、権力を持つ人がいて、大変なことだと思う。ほぼ原形が残り、これ1点だけでも価値がある」と感動していた。

一見勝之知事は「国宝は県内七つ目で埴輪は初めて。誇らしい気持ち」と祝い、田村憲久衆議院議員は「1500年たっての贈り物。もっともっと売り出して、観光にも利用したい」と呼びかけた。

入館料は一般110円、18歳以下無料。