名嶋憲児さん2年ぶり個展 津の三重画廊、木版画の新作など

【作品について話す名嶋さん=津市中央の三重画廊で】

【津】津市を拠点に国内外で活動する作家の名嶋憲児さん(55)=同市久居野口町=の個展が10日、同市中央の三重画廊で始まった。新作の木版画を中心に17点を展示・販売している。14日まで。

名嶋さんは旧久居市出身で大学卒業後偶然見た木版画に引かれて独学で制作を始め、国内外で高く評価されている。同画廊での個展は2年ぶり。

道具や方法にとらわれず制作する中で、今回は創作開始から30年を迎えた木版画を中心にさまざまな「人物」を表現。

線の模様に藍色の濃淡で人が重なる「すがた」、合掌する手が印象的な「祈り」、粗い彫り跡の「案内人」などのほか、自身がすいた和紙を使ったコラージュ「坐」などがある。

名嶋さんは「自分がやれることを全部やる姿勢で制作した。作品になるかならないかは毎回同じ理屈でなく、探っているから飽きずにできる」と話した。