被告に懲役10年求刑 四日市の傷害致死事件、津地裁裁判員裁判

知人に暴行して死亡させたとして傷害致死罪に問われた無職俵重幸被告(59)=四日市市北浜町=の裁判員裁判が10日、津地裁(出口博章裁判長)であり、検察側は「動機は身勝手で自己中心的」などとして、懲役10年を求刑した。判決は18日に言い渡される。

検察側は論告で「被害者に28カ所の肋骨(ろっこつ)骨折などを負わせた執拗(しつよう)で極めて危険な犯行」と指摘。「被害者の生活態度に腹を立て、常習的に暴行を加えていた。傷害を含む多数の前科があり、再犯の恐れが高い」と主張した。

弁護側は最終弁論で、「凶器を用いず、頭部などの急所を避けていた。被害者に自立して生活してほしいという気持ちの行為で、死なせてしまったことを後悔している」などとして懲役七年が相当であると主張した。

起訴状などによると、俵被告は昨年11月1日、自宅で知人の中鳥修一さん=当時(36)=に腕や胸を複数回にわたって殴る蹴るなどの暴行を加え、多発肋骨骨折による血気胸で死亡させたとされる。