ペタライト継続的に輸出を 一見知事がジンバブエ大使と面談

【ニャキョチョ大使(左)に萬古焼の土鍋を手渡す一見知事=県庁で】

四日市萬古焼の土鍋に使われる鉱石「ペタライト」の調達が困難になっている問題で、一見勝之知事は十日、県庁を訪れたジンバブエのスチュアート・ニャキョチョ駐日大使(58)に対し、日本への継続的なペタライトの輸出に向けた協力を求めた。

県によると、ペタライトは耐熱性を高めるために萬古焼の原材料として使われてきたが、中国企業がジンバブエの鉱山を買収したことで、令和四年2月から日本への輸出が停止していた。

一方、この中国企業が今年3月、ジンバブエ政府から働きかけを受けて日本への輸出を再開したが、従来とは品質が異なることなどから継続的に輸入できる見通しは立っていないという。

この日、一見知事はニャキョチョ大使に輸出の再開や来県への謝意を伝えた上で「萬古焼にとって、ペタライトはとても大事な原料。ぜひ継続的に輸出してもらいたい」と述べた。

これに対し、ニャキョチョ大使は「萬古焼の生産現場を訪れてペタライトの必要性を身をもって感じた」とした上で「まずは鉱山に足を運んでほしい」と述べ、関係者による視察を呼びかけた。

また、ニャキョチョ大使はペタライトの取引だけでなく、産業や観光などの分野でもビジネスで交流を図るよう要望。ペタライトの鉱山があるマシンゴ州と県の姉妹提携も提案した。

一見知事との面談に先立ち、ニャキョチョ大使は九日、ばんこの里会館(四日市市)で萬古焼の歴史や製造方法の説明を受けたほか、絵付けの作業を体験。市内の生産現場も視察した。

ニャキョチョ大使はベルギーやブラジルの大使館で勤務し、令和四年から現職。来県は初めてといい、県について「とても良い所。多くの分野に投資していることに感激した」と話していた。