昭和40年代の漁村風景撮影 鳥羽でアマチュア写真家鼻谷さん作品展 三重

【約50年前に撮影した漁村のモノクロ写真展を開いた鼻谷さん=鳥羽市の鳥羽大庄屋かどやで】

【鳥羽】三重県鳥羽市鳥羽の観光交流施設「鳥羽大庄屋かどや」で、津市のアマチュア写真家鼻谷幸太郎さん(84)の写真展「50年前の漁村を歩く」が開かれている。昭和40年代の県内の漁村風景を撮影した貴重なモノクロ写真約40点が並ぶ。

鼻谷さんは、会社員だった昭和40年代、休日ごとに、志摩や鳥羽市、離島にも通い詰め、愛用のフィルムカメラで漁村の何気ない日常を撮り続けた。「何度も足を運ぶうちに顔なじみになって、自然な表情を撮らせてくれた」という。撮りためた写真には、古い漁師道具やかつての漁村の暮らしぶりが残されているため、データ化し、2年前、一部は郷土資料として海の博物館(鳥羽市)などに寄贈した。

会場には、漁でいけす代わりに使った「ぼてかご」に入って笑顔を向ける離島の子どもたちや、浜辺で作業する漁師たち、漁港での入札風景、海女小屋など、当時の漁村の生活風景を切り取った写真が並ぶ。志摩市で継承される国重要無形民俗文化財「安乗の人形芝居」(安乗文楽)に取り組む子どもらの写真もある。

鼻谷さんは「厳しい自然と向き合い働く漁村の人々の姿は、力強く魅力的。50年前の漁村の暮らしを見てほしい」と話していた。

28日まで、火曜休館。