一見勝之知事は9日の定例記者会見で、三重県内でクマの出没が多発していることを受け、県民に注意を促すための「クマアラート」を導入する方針を固めたことを明らかにした。
県によると、アラートはクマの出没が多発している場合や、人身被害の発生時などに発表する想定。月内にも生態系などに詳しい有識者らでつくる会議を開き、発表の基準を決める。
警戒レベルに応じて注意報や警報といった形で発表し、県民や登山客などに注意を促す。全国では、岐阜や富山などの11道県が、既に同様の注意報などを導入しているという。
一見知事は「クマの出没が多発している原因は分からないが、クマが里の近くに下りてきていると認識する必要がある」と指摘。食べ物を家の周辺に置かないなどの対策を呼びかけた。
県内では、クマの目撃や爪痕の発見を含む「出没」が、今年4月から今月5日までで43件に上る。既に昨年度中の40件を超え、記録が残る平成18年度以降では最多となった。