熊本城くぎや大鏡拓本 「探検家・武四郎」の収集物紹介 松阪の記念館

【武四郎が金峯山神社に奉納した大鏡の拓本=松阪市小野江町の松浦武四郎記念館で】

【松阪】松浦武四郎記念館はこのほど、松阪市小野江町の同館で企画展「武四郎とめぐる史跡名勝」を始めた。会期は21日まで。

武四郎は北海道の名付け親として知られる探検家。幕末明治に日本列島の各地を旅し、膨大な記録や著作、コレクションを残した。現在観光スポットとして親しまれている城跡や社寺に関連する31点を出品している。

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている吉野と熊野を結ぶ大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)を、武四郎は63歳で踏破し、記念に奈良県の金峯山神社に大鏡を奉納した。鏡は直径約96センチ、重さ約120キロあり、鏡の背面に霊場地図を鋳造している。実物は吉野山ビジターセンターにあり、企画展では武四郎が掛け軸に仕立てた拓本を披露している。

また武四郎は、西南戦争で炎に包まれた熊本城の鬼瓦を支えていたくぎをもらって、火箸に転用していた。銅製の実物を展示している。

入館料は一般360円、6―18歳230円。武四郎が北海道の道名案を明治政府に提出した7月17日は「北海道みんなの日」として同館は、道内の博物館・美術館とともに入館無料となる。