【亀山】三重県の亀山市は5日、同市東御幸町の市文化会館内中央コミュニティセンターで、「誰ひとり取り残さないまち、亀山をめざして」と題した「地域福祉シンポジウム」を開催した。市内外から福祉や教育に関わる約250人が参加した。
同市は、令和4年度から社会福祉法に基づき、亀山版「重層的支援体制整備事業」を実施。課題を抱える世帯を丸ごと受け止める相談支援、世代や属性を超えて交流できる居場所の設置などの地域づくり支援を一体的に組み合わせた「オーダーメイド型」支援体制で取り組んでいる。
シンポジウムは2部制。1部は、豊中市社会福祉協議会の勝部麗子事務局長が「断らない相談支援から社会とのつながりをつくる参加支援」と題して講演。勝部事務局長は「本人の生活から支援を組み立てて、意思を尊重し、本人と目標を共有することが重要」と語った。
2部のトークセッションは、佛教大学准教授で、亀山市地域福祉推進委員会の長友薫輝委員長が進行役を務め、勝部事務局長と櫻井義之市長、中原博教育長ら5人が、亀山版「重層的支援体制整備事業」について意見交換した。
櫻井市長は、同事業について「本市では『ひとりぼっちをつくらない』を合言葉に、支援機関同士が情報を共有して、断らない相談窓口を設置するなど、現在進行形で取り組んでいる」と述べた。
一方、中原教育長は「教育と福祉との連携が重要であり、悩みや不安を抱えている子どもと先生との信頼関係を築くことで、子どもが話せる環境づくりに取り組んでいる」と話した。