浅野弥衛さん生誕110年で特別展 四日市の山画廊 抽象画家「引っかき技法」

【父弥衛さんの作品に見入る衣斐さん(左)=四日市市安島の山画廊で】

【四日市】三重県四日市市安島の山画廊は4日、鈴鹿市の画家、浅野弥衛(やえ)さん(1914―96年)の生誕110年を記念した特別展を同所で始めた。14日まで。8、9の両日は休み。

浅野さんは日本を代表する抽象画家の一人。地元の鈴鹿信用金庫(現北伊勢上野信用金庫)に勤めながら絵を描き、40代半ばで退職し、画業に専念した。

今回の特別展では、画廊のコレクションの中から35点を紹介した。くぎなどで傷を付ける独特な「引っかき技法」で描いた油彩画をはじめ、白い夕顔の花を描いたパステル画や鉛筆だけでかすり模様を表現した作品などが並ぶ。

浅野さんは昭和63年の山画廊オープン記念展に出品し、翌年に個展を開いた。画廊の山弘之代表は浅野さんのアトリエを何度か訪ね親交を深めた。

初日は浅野さんの長女衣斐泰子さんが訪れ、「父の作品を大切にしてくれて感謝しています」と話していた。