大観小観 2024年7月4日(木)

▼世はまさに健康志向時代。三人寄れば体調の話という光景も珍しくはない。ドラッグストアを全国に展開する大手が津市内の店に、たばこの販売中止を告知した。「地域の人の健康を守るため」という

▼禁煙がすっかり定着したいまごろ、いわば健康の専門企業が年間200億円ほどの売り上げをたばこであげていたというのは驚きだが、こんなちぐはぐさは健康ブーム全体に言えることかもしれない。小林製薬の紅こうじ入りサプリメントでの死者が76人に達する可能性があるという報告を受けて武見敬三厚生労働相が6月28日、怒った

▼「小林製薬の判断により死亡者数の報告をしなかったことは極めて遺憾だ」。小林製薬は死者170人の遺族から相談を受けてサプリメントとの関係を調べていて、その経緯は報告していなかったらしい。一見勝之知事が二日、県内にも一人の死者がいる可能性があることを明かした

▼前日に大阪市からこの人のサプリメントの摂取歴などを調査するように依頼されたという。国から大阪市に連絡があり、大阪市が因果関係などを調べる中で、県との関係がわかったということか。それとも、大阪市が本社の小林製薬を市が独自に調べていた結果ということか

▼全国で対象者がある程度の数になる場合、何であれ県民が巻き込まれている可能性は極めて高い。死者76人と厚労省が発表した段階で、県は県関係者の有無を問い合わせ、または同省からの連絡はなかったのか

▼想定外の事態に対する県の態勢や国と地方の連絡体制が気になる。