「平維盛」熱演、観客を魅了 津で芸濃い劇団「燦」 三重

【熱演する「燦さん」の団員=津市芸濃町の芸濃総合文化センター】

【津】三重県津市芸濃町を拠点に活動する市民劇団「芸濃い劇団『燦(さん)』」(稲垣巧代表、団員56人)の公演「平維盛(これもり)」が30日、同町の芸濃総合文化センター市民ホールであった。平安時代の武将で、同町で最期を迎えた伝承がある維盛の生涯を描いたオリジナル脚本で、小4―75歳が熱演。約320人(主催者発表)が来場した。

同団は平成30年に演劇を通じて芸濃町を盛り上げようと旗揚げし、地元の伝説やゆかりの人物を題材に稲垣代表(69)が脚本を製作。年1回の公演や高齢者施設の慰問などをしている。

公演では維盛の祖父平清盛の臨終、源平合戦、芸濃町河内に逃げ落ちる場面などを随所に笑いをちりばめ描いた。地元駐在所の警察官が登場して観客に特殊詐欺防止を呼びかける場面もあった。

伊勢市から訪れた福井輝夫さん(75)は「子どもたちがたくさんのせりふを覚えてよく練習しているのが伝わった。笑いを入れ飽きさせない内容で詐欺の注意などもあり良かった」と感想を話した。