伊勢新聞

早期全線開業へ「強力な運動展開」 リニア三重県期成同盟が決議採択

【総会であいさつする一見知事=津市羽所町で】

三重県や市町でつくるリニア中央新幹線建設促進県期成同盟会は1日、津市羽所町のホテルグリーンパーク津で本年度総会を開いた。関係者ら165人が出席し、リニアの早期全線開業に向けて「強力な運動を展開する」と定めた決議を採択した。

決議は亀山市内の駅候補地3カ所について、昨年12月からボーリング調査や環境影響評価が始まったと明記。「名古屋以西の早期事業着手に向けた環境がいよいよ整いつつある」と評価した。

県によると、JR東海は概略ルートや駅位置の選定に向け、既にJR関西本線井田川駅周辺と亀山インターチェンジ周辺のボーリング調査を終えた。JR紀勢本線下庄駅周辺は今月にも着手する予定。

この日の総会では、県の担当者が「みえリニア戦略プラン(仮称)」の策定作業に着手したと報告。来年2月に中間報告を取りまとめ、パブリックコメント(意見公募)などを経て令和8年3月に完成させる見通しを示した。

戦略プランには、生活▽観光・交流▽産業・雇用―などの分野ごとにリニア開通の効果を高める手法を明記する方針。県の関係部局や市町、有識者らでつくる検討委員会の議論を踏まえて策定する。

会長の一見勝之知事は「全国で三重と奈良だけが東京まで一本でいけない。インバウンド(海外誘客)のために必ず通さなければならない」と強調。戦略プランは「2次交通や生活の仕方、観光も含め、どういった形で変わるか検討しながら作りたい」と話した。