「源氏物語」描かれた屏風など展示 津の石水博物館、29日から企画展 三重

【「源氏物語銀地屏風」を紹介する桐田学芸員=津市垂水の石水博物館で】

【津】三重県津市垂水の石水博物館は29日から、夏休み企画展「源氏物語の美とひろがり」を開催する。源氏物語の鎌倉時代の古写本や著名な場面が描かれた江戸時代のびょうぶなど計約60点を展示する。9月8日まで。月曜(祝日の場合翌日)休館。入館料一般500円。

1000年以上前に紫式部によって書かれ、平安時代末期に絵巻となった源氏物語の世界を写本、和歌集、工芸、浮世絵など江戸期を中心にさまざまな角度から紹介する。

縦約1・7メートル、横約3・6メートル六曲一双の「源氏物語銀地屏風(びょうぶ)」(中部大学蔵)は光源氏が若紫を垣間見る巻など12の場面が描かれている。ほかに藤堂家から賜った鎌倉中期の写本「早蕨(さわらび)」、物語を意匠に用いた蒔絵(まきえ)の香箱、江戸後期に人気を博したパロディー「偐(にせ)紫田舎源氏」の浮世絵など同館の収蔵品がある。

桐田貴史学芸員(29)は「王朝の雅(みやび)を描いた源氏物語を基にさまざまな二次創作が作られた。広がりの豊かさを感じてほしい」と見どころを話している。