2024年6月28日(金)

▼現代は多様化の時代。県議会もそうなってきたか。「県議会は―」と、ますます一概に決めつけられなくなった。国民スポーツ大会(旧国民体育大会)を巡り、複数会派の“有志”が誘致の決議案を提出したという

▼先の常任委員会では、国スポに対する県の態度を早期にまとめるべきだという意見が出された。県当局は令和17年の県開催が決定してから検討会を立ち上げると答弁。「順番が逆」という反発が相次いだ。開催決議案と矛盾するとまでは言えなくても、整合性がとれていない印象は避けがたい

▼県議会は、党派ごとに意見をまとめ、正副議長を輩出する3、4期が中心になって事務的運営を担ってきた。その中で、ものを言うのは調整力であり、その手法に優れた人が実質的に議会を動かしてきた。最終的にまとまることが、知事以下の執行部に太刀打ちできる力の源泉でもあった

▼崩れてきたのは、やはり県議定数を巡る混乱だろう。個々の主張の違いで会派再編が起こり、長老議員が独自の会派を作った。期数が発言力を左右する長老支配からの脱却が現実になったともいえようか

▼車の両輪になぞらえられる議会と執行部とのパワーバランスが、それによって変わるかどうか。会派・新政みえの一部に決議案に難色を示す声もあったが、在り方の見直しに関する記述を盛り込むことで理解を得たらしいという

▼提案することは黙認した、ということだろう。知事部局の議会工作も、やりやすくなったのではないか。片輪の力が、やや強くなった気がしてならない。