三重県の伊勢市が議決を経ずに工事の委託契約を県と結んでいた問題で、県議会は26日、見送っていた関連議案の審査を、防災県土整備企業常任委員会(中瀬信之委員長、7人)に付託した。
市議会が24日、契約を追認する議案を可決したことを受けて付託。常任委は26日、この議案を全会一致で「可決すべき」とした。28日の県議会本会議で採決される。
常任委では、中川正美委員(自民党、11期、伊勢市・鳥羽市選出)が「市とのコミュニケーションを密にし、二度とないように。待望の橋を一刻も早く完成させてほしい」と述べた。
若尾将徳県土整備部長は「市とのコミュニケーションが取れていれば、問題は防げたと思う」との認識を示した上で「今後は議決の確認も含め、しっかり対応したい」と返答した。
問題を巡っては、伊勢市が宮川橋の架け替え工事を約86億円で県に委託する契約を県と結んでいたが、契約に必要な市議会の議決を得ていなかったことが3日に判明した。
一方、県は3日、この契約に基づく工事の金額を、資材費などの上昇を受けて約370万円増とする議案を提出。県議会は「市議会の議決を注視すべき」とし、審査を見送っていた。