元伊勢署警部補、盗撮認める 懲役3年求刑 名古屋地裁初公判

女性のスカート内を繰り返し盗撮したなどとして、性的姿態撮影処罰法違反や窃盗などの罪に問われた三重県の元伊勢署警備課の警部補土記拓也被告(34)の初公判が25日、名古屋地裁(吉田智宏裁判官)であり、土記被告は「全て間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役3年を求刑し、即日結審した。判決は来月4日に言い渡される。

検察側は冒頭陳述で、「被告は中学生時代から女性の下着に性的興奮を覚え、大学生のときにはアルバイト先の更衣室で女性従業員を盗撮していた」と説明。「令和2年ごろから盗撮目的で不動産会社に物件の内覧を申し込んでいた」と述べた。

論告では「勤務内外を問わず盗撮を繰り返し、偽名で内覧を申し込むなど卑劣で常習性が高く、極めて悪質」と強調。「警察官という立場で妻子を有しながらも犯行に及び、再犯の恐れが大きい」と主張した。

弁護側は最終弁論で「被告は性嗜好(しこう)障害と診断され、保釈後に定期的な治療を受けている」と述べ、既に県警から停職処分を受けて依願退職し、十分な社会的制裁を受けているとして、執行猶予付きの判決を求めた。

起訴状などによると、土記被告は昨年8月、勤務中に女性2人のスカート内を盗撮するなど、令和4年3月―昨年10月、県内や愛知県で女性のスカート内を繰り返し盗撮したほか、昨年8月、県内の住宅から女性用下着を盗んだとされる。