五穀豊穣願い「虫送り」 たいまつ手に子どもら練る 三重・度会町

【たいまつを持ち水田周辺を練り歩く子どもら=度会町立岡で(同町提供)】

【度会郡】三重県度会町立岡でこのほど、稲の害虫を煙で追い払い、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する「虫送り」があった。地元の子どもら約50人が参加し、長さ1・5―2・5メートルのたいまつを手に水田周辺を練り歩いた。

農業の近代化が進んだ昭和30年ごろに途絶えた伝統行事を子どもらに受け継いでもらおうと、耕作放棄地の活用などに取り組む「立岡営農クラブ」(山本操代表)が平成26年に復活させた。行事で使用するたいまつは、子どもらと区民が麦わらを束ねて竹に取り付けて作っている。

参加者らは太鼓やほら貝、かねの音が響く中、たいまつに火をつけて出発。煙が出るようにたいまつを上下に振りながら水田の周りを歩いた。

山本代表は「これからも子どもたちと一緒に虫送りを続けていきたい」と話していた。