2024年6月26日(水)

▼事実無根の内容が記載されたはがきで名誉を傷つけられたとして、桑名市長が同市議を名誉毀損で訴えた裁判で、津地裁四日市支部は市長の主張を認め、市議に33万円の支払いを命じた

▼判決によると、市議は市長が企業から「4100万円を受け取り、家も建ててもらった」などと書いたはがき約560通を自身の支援者らに郵送したが「受け取ったことを認める証拠はない」として、臆測と推測で「市長の社会的評価を低下させた」と判断した

▼市長と市議の政治的関係は分からぬが、一般論として金銭の授受を証明するのは難しい。金額を明記してはなおさらである。国家戦略特区の制度設計をしたワーキンググループの委員と、委員関係者らとの疑惑を報じた毎日新聞との訴訟が1月の最高裁棄却で毎日敗訴で確定したが、委員への会食接待疑惑を巡り、確定判決は取材での証言が曖昧で「再度確認すべきだった」と新聞側の主張を退けている

▼仕事柄、口利き疑惑に伴う金銭授受のうわさは何度も耳にした。議会で追及された田川亮三、北川正恭知事(当時)が色をなして反論するのも見たが、すっきりせずに終わったし、ゴルフ場建設ラッシュの時は受け取ったとされる市議が計画不調に伴い業者から返還を求められてあぐねたという話もあった

▼バブル全盛期、1億円御殿などとうわさされるケースもあった。4千万円プラス1億円相当ということか。首をかしげたくなる金額だが、控訴するかどうか検討するという。まずは事実関係を立証できねば勝ち目はあるまい。