伊勢新聞

空間全体を作品に 津の加藤さん、東京で個展

三重県津市在住のアーティスト加藤美佳さんの個展が、東京都港区六本木の「小山登美夫ギャラリー六本木」で開かれている。加藤さんが個展を開くのは18年ぶり。生活や心情の変遷とともにこれまでの加藤さんの作風から変化をとげて創られた絵画やオブジェ、写真作品などが展示されている。

加藤さんは、愛知県立芸術大学で絵画を学び、在学中の平成12年に同ギャラリーにて初個展を開催。自身で作った粘土人形を写真で撮影し、それを元に微細な筆致を重ねて表現された少女の油彩画は評価が高く、同13年には五島記念文化賞美術新人賞を受賞。水戸芸術館やロンドンのホワイトキューブなど国内外で個展を行った。

ギャラリーは3室あり、メインとなるスペースには川を模したインスタレーションが室内いっぱいに広がっている。散りばめられた小さな石やガラスなどの上には日常のささやかな発見やワンシーンが油彩で描かれており、人々の命の営みが感じられる。他室では津の海岸で拾った貝殻や有孔虫の化石などを使った立体と写真の作品の展示が並ぶ。ほかにも自作のガラスのオブジェなどさまざまな素材の立体や平面の作品が見られる。7月20日まで。日、月曜、祝日は休廊。午前11時―午後7時。