国に人口減対策の司令塔組織を 三重県知事、全国知事会で提案

【全国知事会の会合で人口減対策への意見を述べる一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事は24日、オンラインで開かれた全国知事会地方創生・日本創造本部の会合に出席し、人口減対策の司令塔となる組織を国に設置するよう提案した。企業に本社機能の地方移転を促す税制措置も強化するよう求めた。

一見知事は人口減対策について「地方はやれるだけやっているが、国はどうか」と指摘。家族や女性などの政策を担当する大臣を設けたドイツを例に、司令塔組織の設置を提案した。

「女性が働く場が増えてジェンダーギャップの解消にも資する」とし、本社機能を分散させる必要性も強調。「東京で大地震が起き、富士山が噴火したらどうするのか」と語った。

この日の会合には47都道府県の知事や担当者が出席。人口減少地域での生活維持や地域産業の成長に向けて取り組む自治体に財政面などでの支援を求める提言の案を共有した。

一見知事が提案した司令塔組織の設置や本社機能分散も、提言の案に盛り込まれた。地方創生・日本創造本部は会合での意見を踏まえて提言を完成させ、近く国に提出する見通し。

一方、東京都の担当者は「人口移転を国が促進すべきではない」とし、東京一極集中の是正に関する記述を削除するよう要請。本部長の中村時広愛媛県知事は「東京の発展に反対するわけではない」と理解を求めた。